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泡とジャスミン

薔薇より蘭が好き

身の程知らず

新しい仕事に手をつけようと、面接に臨みました。

今までの仕事のポートフォリオをまとめて、着る機会の少ないジャケット(ラペルのレースがポイント)に袖を通して、余裕を持った5分前行動で、元気よく挨拶をして、面接は始まりました。

 

 

 

結果、だめでした。

いや、まだ何も告げられてないんだけど。

なんとなくそう思う。

なんとなくね。

自分とは畑が違うところに飛び込んだくせに、そのままの自分でいいなんて甘い考えをしていた自分が悪い。

反省。

 

こつこつと続けてきた事が、小さな評価を少しずつ頂けるくらいになって、そこで自分を過信して、堂々とやった結果がこれ。

「堂々とやった」なんて綺麗な言い方だけど、向こうからしたら「自己分析が出来てない浅はかな大人」くらいにしか見られていないんだろうな。

 

 

 

 

「自己評価が高いのか低いのか分からない」

昔そう言われた事がある。

それに対して上手に返答出来なかったことも覚えている。

はぁそうですか。

基本自己評価低いですよ僕は。

でも時々、自分が何でも出来る様な気分にもなるんですよ。

歌手にでも、小説家にでも、俳優にでも何にでもなれる様な気分になることがありますよ。

お薬やってるわけじゃないよ。

クスリ、ダメ、ゼッタイ。

 

 

「何が話したいのか全く分からない」

そういえばこんなことも言われたな。

そんな事言われたらあなたと話す気がなくなる。

昨日の職場の笑い話を伝えようとすると、あなたはヘラヘラ笑う。

話が面白いんじゃない。

何が言いたいか分からないからそれが面白いんだって。

その度に赤面する自分が惨めでしょうがない。

人とコミュニケーションを取ることがこんなに難しいなんて。

自分の国語力が足りていないのか。

あなたの傾聴力が足りていないのか。

その両方なのか。

 

 

 

 

面接の時もそうだった。

会話のキャッチボールが出来てる気がしない。

おかしいな。

もうあの時とは違う自分の筈なのに。

なんで目の前の面接官は目も合わさずキーボードをぱちぱち叩いているんだ。

不安になるじゃないか。

 

どろっとした汗が止まらないまま面接は終わって、聞いてもいないペーパーテストをやらされて、最後エレベーターホールで見送られる時に言われたことが、

「ファッション系の資格、沢山持っているんですね。あとスタイル凄くいいですね」

 

 

 

そりゃそうだ。

お前らとは歩んできた人生が違うんだ。

見えてる世界も違うんだ。

いろんな事をああでもないこうでもないと考えて試して失敗してまた考えてまた試してを繰り返してきたんだ。

お前が今日着ているジャケットはどうやって選んだんだ。

どうせその辺の知名度しかないブランドで30%OFFだから買ったんだろう。

物の選び方から違うんだよこっちは。

一緒にされても困るんだが。

 

 

 

「ありがとうございます。今日はとても緊張しちゃいました」

なんて間抜けな返答なんだ。

他にもっといい言い方はあっただろう。

エレベーターの中で扉が閉まるまで頭を下げ続けた。

エントランスを抜けて、やっと呼吸が出来た。

 

 

 

「一緒にされたくないのはきっとお互い様」

自分に言い聞かせると同時に、無礼を心の中でそっと詫びました。

 

 

 

P.S. 採用ご担当者 様

お忙しい中、面接の機会を設けて下さり誠にありがとうございました。

 

↑「誠にありがとうございました」って何か変?↑